京野菜として知名度が上がってきた海老芋は、里芋の変種。京芋とも呼ばれており、煮込んでも煮崩れしにくいため煮物などに適した食材だ。11月から春先までが旬で、正月に需要のピークを迎える。栽培にも手がかかることからこの時期は特に値段が高騰するが、その味わいを知っていれば思わず手が伸びてしまうはず。土臭さがなく上品な味わいで、煮しめなどのクオリティが格段にアップする素晴らしい野菜である。

せっかくの上品な味わいとキメの細かさを楽しむのであれば、だし汁メインで色も薄く炊くのがよい。芋は芋でも里芋の種類はじゃがいもに比べてでんぷん質が半分以下。案外たっぷりいただける。

海老芋を入れた雑煮もまた一興。餅とはまた違ったむっちり感で、だしの味ともよく合う。最後に糸カツオとへぎ柚子(ゆず皮)を散らせば上品な芋雑煮が完成する。