『ひすい銀杏』は、9月を中心に出回るマスカットのようなグリーンをおびた銀杏。黄色い銀杏との最たる違いは食感で、もちもちとした食感。またほのかに苦みもあり、初秋にふさわしい味わいだ。きれいな色みが映えるよう、まずはひすい銀杏の素揚げを。
“不老不死のフルーツ”との愛称もある『いちじく』は、夏から初秋の頃に店頭に出回る。果実をそのまま楽しむなら、塩とすだちの果汁をかけてどうぞ。また、香り高いロゼ色のいちじくシロップを炭酸水で割ったドリンクは、リフレッシュしたいときにぴったり。
ナチュラルオイルのブームを牽引する『えごま油』。えごまが収穫期である9〜10月には、国内の搾油所で製造された一番搾りのものを手に入れたい。たまごかけごはんや、キムチ納豆に少し垂らすだけでも、えごまの豊かな風味を存分に感じられる。
東京都江戸川区の小松菜地区で栽培された『小松菜』。9月ごろに出回るものは葉がやわらかく、生で食べられる。また、ホウレンソウの約4倍ものカルシウムを含むので、骨粗しょう症になりやすい女性にはおすすめ。作りたてのひじきドレッシングをかけたホットサラダは、くたっとした小松菜の歯ざわりと組み合わせが楽しめる。
初秋を迎える9月から冬が旬の「鯖(さば)」。脂がのった高鮮度な鯖を堪能するなら、今がチャンスだ。シンプルな塩焼きもおいしいが、生姜をつめるとより箸が進む一品に。また、鯖そぼろを仕込んでおけば、ツナのような感覚で使えて便利だ。
年間を通して店頭に並んでいるエリンギは、9月から12月にかけて特に多く出回る。イタリアンなどにも多用されるのは、オリーブオイルとの相性のよさが理由。エリンギの風味を堪能するにはグリルが一番。縦に割いたり輪切りにしたりと、エリンギの切り方を変えれば食感の違いが楽しめる。
9月に出回る里いもは、晩秋のものと比べると、フレッシュで香りもいい。里いもは牛肉との相性が抜群。東北、特に山形県の郷土料理のいも煮汁を家庭で作ってみよう。ごろりと入った里いもはしみじみとおいしい。実りの秋の喜びを、いも煮汁を囲んで味わおう。
しその葉が旬となる夏が過ぎ、秋口に近づくとしその実がつく。しその実といえば醤油漬け、または甘辛い味噌漬けもおいしい。いずれも秋の新米がよく進むごはんの友。おかかやごまと一緒におむすびにしても美味。