日本固有種の“本物のししゃも”は北海道の太平洋沿岸に生息。10月〜11月中期までの短い期間しか穫れない、たいへん希少な魚だ。シンプルな塩焼きの他にも、アーモンドフライはビールのアテにぴったり。
京で親しまれる秋の味覚といえば、丹波産の黒枝豆。本来は正月の煮豆用に使われる黒豆を、枝豆として若い莢のうちにいただく。素材の美味しさを味わうなら、茹でて塩で味わうのが何より。
新米の収穫が始まる10月は、全国各地の蔵で日本酒造りが始まる。おいしい日本酒を手に入れたら、家で簡単おつまみを。さきいかを使ったサラダは冷や・御燗ともに合う。また新そばの時期でもあるので、蕎麦屋で一杯たしなむのも乙な楽しみ方。
秋から冬にかけて収穫される『トレビス』はほろ苦さのある味わいがおいしい。紫キャベツと一見似ているようだが、まったくの別物。シンプルなグリーンサラダに入れると味わいにグラデーションが生まれる。
9月はぬめりのある食材をいただき、夏の疲労が残る粘膜や気管支を労る時期。栄養たっぷりな納豆で内側から健やかな身体作りを目指してみては。エネルギーをチャージには納豆を主役にした丼がおすすめ。
9月には、大きくてしっかりとハリのある葉に生育する『柿の葉』。柿の葉寿司や秋のかいしきとして日本料理の盛りつけとして季節感や清潔感を表す。かしこまった料理に限らず、普段の食卓や行楽の弁当に添えてみてはいかがだろう。
シャキシャキとした食感とくせがない味わいの『チンゲンサイ』。使い勝手がよく、日本にもっとも浸透した中華食材の一つだ。土鍋で中華麺を煮込んでから、さっと油で炒めておいたチンゲンサイと豚肉をのせれば、身も心も満たされる一杯になる。
春先に種を蒔いた『白ごま』の収穫期は9〜10月。野菜と合せるとき、青菜やレンコンなどやさしい味わいをもつものなら白ごまがおすすめ。シンプルな水菜の白ごま和えはいつ食べてもしみじみおいしい。