全長30〜50㎝もある十六ささげは、さやいんげんと同じマメ科だが、ササゲ属の一種。中に16粒ほどの豆が入っていることが名前の由来だ。江戸時代には、十六ささげの熟した豆が武士たちによく食べられたというが、真ん中でぱっくりと割れるさまは“腹切り”を連想させるという理由から、当時は縁起が悪いと言われた説も。とはいえ小豆ほど割れやすくはないので、赤飯を作る際、小豆の代用として十六ささげを使うのもよい。

タンパク質やビタミン、ミネラルをバランスよく含んでいるが、中でもさやいんげんの約2倍ものカロテンを含んでおり、生活習慣病予防や免疫力の向上、皮膚や粘膜の細胞の正常化が期待できる。また食物繊維が豊富で腸内環境を整える作用もある。

味をふくみやすい特徴を生かして、オイル煮にするのがおすすめ。食べやすい長さに刻んだ十六ささげとつぶしたニンニク、たっぷりのオリーブオイルを鍋に入れて蒸せば、白ワインにも合う一品料理ができあがる。