“飲む点滴”として近年人気の「甘酒」。初詣などで出店されることから冬のイメージが強いが、実は夏の季語である。遡ること江戸時代、夏の時期には夜になると、江戸・京都・大阪の三都市で、てんびんをかかえた甘酒売りが町を練り歩いたという。そんな慣習も夏の季語となった由縁かもしれない。

まったりと甘く、お値段も手頃な甘酒は、庶民にとっても人気の飲み物だった。一説では、幕府が甘酒の価格が高騰しないように制限をかけていたとか。ビタミンやアミノ酸、炭水化物をバランスよく含む甘酒を、誰もが飲めるように計らっていたのだ。

朝食にもぴったりなのが甘酒入りのスムージー。甘酒と冷凍した桃、レモン汁をミキサーにかければ完成。まったり、優しい甘さに癒される。また、肉じゃがなどの煮物全般において欠かせない“水と砂糖”を甘酒で代用するのも一つの手。加熱することで善玉菌は若干消失するが、夏バテ対策にも欠かせないアミノ酸をしっかり摂れる一品に。