かんずりとは、古くから新潟で作られている発酵調味料。秋に塩漬けされた唐辛子を雪の上にさらしてアクを抜き、柚子や糀(こうじ)、塩と混ぜあわせる。こうして仕込んだものを丸3年間じっくりと熟成発酵させ、商品になる一歩手前に再び冬の冷たい外気にさらし、寒さで味を引き締め完成となる。雪国でしか成し得ないこの“雪さらし”と“寒ざらし”という独特の工程が、かんずり作り最大の特徴だ。

辛みはわりとマイルドで、辛さの先に奥深いうまみがある。使い方が気になるところではあるけれど、柚子胡椒やタバスコ同様にさまざまな料理のアクセントとして使うといい。冬のおすすめは、昆布風味の蒸し牡蠣と大根おろしをポン酢醤油とかんずりでいただく料理。冬の魚介と相性がいいので、今まさに手に入れたい調味料である。

最近地元新潟のホテルでは、このかんずりをチーズサブレに入れたものも販売している。旅で見かけたときは、こちらもご賞味あれ。