東洋医学の世界では、臓器と似た形の食材を食べるとその臓器の機能が高まると言われている。冬は腎臓をいたわる時期であり、その腎臓とよく似た形であるのが豆。なかでも10月から2月にかけてが旬の小豆は、本格的に寒くなる前の今の時期から積極的に取り入れたい食材だ。ちなみに豆を甘く煮て甘味として食べるというのはアジア圏の食文化で、西洋諸国ではもっぱら料理や粉にして使われている。

とにもかくにも、まずは小豆を茹でるところからすべては始まる。軽く洗った小豆鍋に入れ、たっぷりの熱湯(豆の約3倍量が目安)を加えて強火にかける。沸騰したら差し水をし、再沸騰したら一度ザルへ。再び豆の約3倍量の水を加えて火にかけ、沸騰したら弱火にし、豆が柔らかくなるまでグツグつと煮る。途中アクを丁寧にすくい、豆が煮汁から顔を出さないように水を足すのがポイント。

茹で上がった小豆を、まずは甘味で。砂糖をたっぷり加えて甘く煮たゆで小豆に、焼いた餅やヨモギ麩を入れた熱々の汁粉は口に含んだ瞬間至福が訪れる。
ミネストローネなどの野菜スープに汁気を切った小豆をごろっと加えれば、食べ応えのある立派なおかずに。小豆のゆで汁も加えると、スープの旨味やとろみが増すのでぜひ試してみてほしい。