コラージュ、イラスト、映像など、ポップでどこかシュールなクリエーションで知られる、とんだ林蘭さん。木村カエラなどのミュージシャンやファッションブランドとのコラボなど、幅広く活躍している注目アーティストだ。
「作品作りは5年前から。販売員や派遣OLをしていたとき、変化のない毎日が続き、その反動で“何か作りたい!”と感じ、仕事も辞めてしまったんです」
その頃住んでいた浅草で、通り道の地下にある洋服屋スリーラバーズをふらりと訪れたことで、人生が変わった。
「初めて入ったのに、店主の話が面白くて4時間もいたんです。それから週に5日くらい通っていました」
そこはいとうせいこう、“とんだ林蘭”の名付け親の池田貴史(レキシ)など、多彩な才能を持つ常連客が集まる店で、22歳の彼女は大きな刺激を受けたのだ。
「夢があるならやったほうがいいと応援されて、店内で小さな展示会をやったのをきっかけに、個展に繋がり、仕事のオファーがくるようになったんです」
偶然の人との出会いから生まれたともいえるアーティスト、とんだ林さん。作品を代表するのが、モード誌と生肉や骨などリアルなものが混在する独特のコラージュだ。
「基本にしているテーマは、異質なものの組み合わせ。日常と非日常の中間の感覚です。自然のモチーフはビジュアルとして面白いし、日常感が出るのでよく使います。青空、曇り空、雷、木々など、どれも違っていて、全く同じものがない。ちょっと崩れたバランスなのも気に入っています」
そんな自然のインスピレーションを感じるために、近くの公園を散歩するのが、彼女のスタンダード。
「昼ごはんを食べたり、夜はパソコンを持参して映画を観たりして楽しんでいます。最近は、植物を育てることにも興味があって、グリーンのショップもよく覗きます」
街を散策するときは、動きやすいアイテムを選び、今回着たヘリーハンセンのジャケットも鮮やかなカラーのスカートを合わせて、自分らしくアレンジ。
NEO GREEN/東京都渋谷区神山町1-5/03-3467-0788/営業時間 12:00〜20:00/定休日 月(祝日の場合は火)
「軽くてあったかいから、キャミソールの上にこれだけでも大丈夫。夜の公園で遊ぶときも安心ですね」
住まいを整え、夜遊びを楽しみ、“やりたいことだけやる”がルールという彼女だが、作品作りは日課にしている。
「奇跡のように描けるときもありますが、毎日やらないと“今日もちゃんと作れるか?”と不安になります。そんな恐怖が常にあるから続けているのかもしれません。作品作りはいわば自らの確認作業のようなものですね」
日々自然と触れるために、公園を散歩したり、和洋折衷のグリーンポットが揃うNEO GREENを訪ねるというとんだ林蘭さん。着用したのは、ヘリーハンセンのNATURE FITNESSのライトウェイトジャケット。軽やかなストレッチ性とはっ水性に加え、サイドスリットのベンチレーション機能で通気性にも優れている。アウトドアに対応しながらも、ロングスカートと合わせてもおしゃれに決まる、シンプルモダンなデザインも魅力だ。
プルオーバー¥40,000 / HELLY HANSEN 原宿
その他/本人私物
協力/ HELLY HANSEN 原宿 TEL 03-6418-9669