豆腐をつくる際にできた豆乳のしぼりかすである「おから」。“卯の花”“雪花菜”“きらず”の呼び名で、古くから日本人に愛されて来た食材は、ほっこりとした味わいで秋に食べたくなる味だ。しっとりした口当たりのおからドーナツはどこか懐かしい味わい。
夏に涼しい海に移動していた鰹は南下を始める9〜10月。脂ののった戻り鰹は、ねっとりとした身と力強い旨みを味わえる。戻り鰹を手に入れたら自家製ツナを作ってみてはいかがだろう。
8月から10月はフレッシュで最も味のよいやまぶどうが手に入る時期。山で採れるやまぶどうは、濃厚な甘みと強い酸味をもつワイルドな味が特徴。やまぶどうのソースはフルーティーな味わいで秋冬に食べたい鴨肉などのソテーに合う。
九州阿蘇の名産「高菜漬け」や紀伊地方の「めはりずし」などでおなじみ野菜、「高菜」。12月から3月が高菜の最盛期だが、間引きや摘み菜にしたものは今の時期も手に入る。塩漬けを家で作るなら、唐辛子や千切りした生姜を加えると風味がぐんと増す。
夏から秋にかけて、日本ではいろんな品種のぶどうが収穫される。8月から11月にかけての時期は、日本のワイナリーにとっては一年でもっとも忙しいシーズンだ。日本生まれのワインは和食に合う。赤ワインは筑前煮やブリの照り焼きなど甘辛い煮炊きものと相性抜群だ。
春と秋、一年に二回旬を迎える赤かぶは、10月ごろから出回る秋下部の方が、果肉の甘みや栄養価がぐんと増す。漬け物や生のままでいただくのがおすすめ。またフルーツとマリネしてデザート感覚でいただくのも一興。これから秋が深まった頃には柿と合わせたい。
9月ごろから国産のものの収穫が始まるライム。さっぱりとした酸味と鋭い香りをもつライムは、肉魚ともに相性がよいほか、サラダなどにも使えて重宝するフルーツ。洋酒にも合うので、フレッシュなライムを使ってモヒートを仕込んでみては。
“ゆきのした”の別名をもつえのきだけは、肌寒い秋から本格的な冬にかけてシーズンを迎える。自家製なめたけを仕込んでおけば、ご飯のおともやおかずのアクセントに重宝する。スクランブルエッグにのせたり、納豆に混ぜ合せるのもおいしい。