動物を模ったアクセサリーブランド〈URBAN SAFARI〉。動物モチーフものは、極端にかわいらしさが強調されていることも少なくない。でも〈URBAN SAFARI〉のブローチには、すっと立っているだけだったり、鋭い目つきで威嚇しているように感じられたり。羊毛フェルトの温かみとの意外なギャップによって、ユニセックスで使えるアイテムに仕上がっている。


「動物の怖い顔、好きなんです」とブランドを手掛ける作家・茨木菜摘さんは笑う。“身に着ける野生”をテーマにしているのは、都会で暮らす人にも、野生動物のパワーを借りて、自分自身の力にしてほしいから。

「身に着けることで、少しでも気持ちが強くなって、その人自身が鼓舞されるといいなと思いながら作っています。買ってくださった方から、ブローチを着けていると知らない人から話しかけられるという話をよく聞くんです。私の作品が、コミュニケーションのきっかけになっていることが、とても嬉しい」



「茶色でもものすごく濃淡があったり、灰色一色に見えても急に茶色が混ざったり、そうした変化に作りながらはっとしますし、作り甲斐も感じます。いちばん時間がかかるのは顔ですね。私の精神状態が出てしまうので、無心を心掛けています」



茨木さんが惹かれるのは、それぞれの動物が持つフォルム。だから、本来の頭身を崩してまでデフォルメしない。デザインをする時も、動物園に足を運んだり動画でリサーチしたり、動きを知った上で、いちばん“らしい”ポーズを決める。それからは、ひたすらフェルトに針をチクチク。繊維を絡ませ、形にしていく。よく見てみると、毛の色の表現がすごく繊細。



大学を卒業してから立ち上げたブランドも6年が過ぎ、動物への思いもどんどん深まってきた。

「これからは絶滅危惧種のための活動もしたくて、勉強を始めました。〈URBAN SAFARI〉のブローチが、動物を好きになるきっかけになり、ひいては動物を取り巻く環境への興味へと繋がったら」


PERFECTDAY 03号より転載

茨木菜摘

東京藝術大学美術学部デザイン学科卒業。在学中、動物の勉強や観察の時間を多く作るため上野動物園でボランティアガイドを務め、卒業後ブランドを立ち上げる。公式HP(urban-safari.net)の他、「3331 CUBE shop&gallery」、「roomsSHOP 新宿店」で購入できる。

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