1993年にカリフォルニア州で設立され、クライミングやサーフィン、ヨガなどのアウトドアスポーツのウェアを中心に展開しているアパレルブランド〈prAna〉。アメリカを中心に、多くの人に支持されている同ブランドは、2018年9月から日本で直営ECサイトをオープンさせ、本格的に始動する。

ブランド立ち上げ当初からサスティナブル(=持続可能性)を掲げ、実行してきた〈prAna〉。製品には、オーガニックコットンやリサイクルポリエステル、レーヨンなどを使用。環境への配慮も徹底されている。そのブランドコンセプトは、アウトドアスポーツを愛し、自然を大切にしたいと願う多くのユーザーの心を掴んでいる。

日本で本格的な展開を開始する〈prAna〉のお披露目として開催された葉山のイベント。今回は〈prAna〉ブランドマーケティングVP(副社長)・Jeff Haackとカルフォルニア生まれのサーフィンフォトグラファー・Chris Burkardに、ブランドで大切にしていることやこれからの展望について話を聞いた。はじめに、今回のイベントの開催地となった葉山の印象を尋ねると、2人はそれぞれの答えを返してくれた。

Jeff「葉山は、カリフォルニアに似ています。美しく、とてもオーセンティック(本質的)ですね。もし日本に住むなら葉山に住みたいね」

Chris「忙しい東京と葉山の美しい海岸線のコントラストにとても驚いたよ。葉山はリラックスして呼吸が楽になるイメージ」

穏やかな空気が流れる葉山は、〈prAna〉の故郷カリフォルニアと同じ雰囲気が感じられるようだ。

〈prAna〉ブランドマーケティングVP(副社長)・Jeff Haack

ーーこれから日本で展開する〈prAna〉をどのように日本人に伝えたいですか?

Jeff「アイテムとしては、いろんなところで使ってもらえる、アクティブな製品です。例えば、アクティビティによって着る服をいちいち着替えなくてもいい汎用性・機能性がある」

Chris「prAnaにとって日本は新しい市場だけれど、だからこそコロンビアスポーツウェアジャパンと我々の関係性がクリティカルになってくる。CSJのメンバーが日本においてのユーザーや商品ニーズを把握しているからこそ今後の発展がのぞめると思っている。」

ブランドを展開して行く際にはその地域の文化に入りこみ、時間をかけて話をする。そうして文化を理解し、柔軟にその土地に合わせてブランドを変化させていく。日本ではこれからどのように変化させていくかがキーになる。

Chris「日本の〈prAna〉は日本の文化を大切にするし、それが日本での〈prAna〉の進化の仕方。それもまた真なりだと思う」

米国の〈prAna〉でのターゲットユーザーは『アーバンアクティブ』な28〜45歳。アクティブで、高い教育とユーモア・知性を持っている人。そして美しさ、正しいことをするということに重きをおいている。そんな人たちに向けて〈prAna〉はこれまでの25年間ブランドを展開してきた。

Jeff「余裕があって、高いものを求める年齢層がターゲットになっています。ファストファッションブランドのように、安くて早く捨てるようなサイクルではないし、シーズンごとに新しい服を買うような人たち向けではありません。大切にしているのは、“最小限”であることです」

物の価値を改めて考え、“良いものを長く使う”という価値観を持つ人に支持されている。

カリフォルニアを拠点に活動するサーフィンフォトグラファー・Chris Burkard

ーーブランド設立当初の25年前から、ユーザーの意識は変化していると思いますか?

Jeff「100パーセント変わってきていると思います。例えば、以前まではウォータープルーフや速乾性というものは特別でした。でも今はどこのブランドでも当たり前のようにやっている。そういう意味ではブランドに特別な物がなくなって来たと感じます。だからこそユーザーは、ブランドが何を大切にしているか、という観点で選んでくれているように感じます」

ユーザーとブランドの関係性が重要だとChrisは言う。

Chris「我々は、正直でなければいけません。今の時代はソーシャルメディアがそれを助けてくれますね。
また、ユーザーがブランドや商品に対してどんなコメントを出しているか、どんな時間を過ごしているか、何をしている人なのか、どんなライフスタイルなのか……。25年前は膨大な時間を要したリサーチが必要なことが、今では20秒でわかります」

もしも地球に悪いことをすれば、すぐに察知される。健康や環境に対して高い意識を持ち、賢くなるユーザーに対してブランドはより正直になる。今世界的にも、政治や文化において“儲ける”というよりも“正しいことをする”ということにフォーカスしている。

Jeff「常にどこか改善していくところがある。それをこれからも実践していきたいと思っている」

環境や社会、そしてユーザーに対して、常に正しくなければいけないという誠実な姿勢を持ち続け、その意思を実行する。彼らの大切にしていることは、これから日本でも多くの人の共感を得るに違いない。


prAna
EC website http://jp.prana.com
Instagram @prana_jp