「届け物は、以前は書類が主でしたが、最近は食品からロボット、ペットまで、多種多様に変わってきました」というYUKIさん。自転車で都内の複雑な道を走り抜け、送り主からの大切な荷物を届けるメッセンジャーだ。

「身体を動かしたかった」という理由でこの仕事に就いた彼女。美大でメディアアートを専攻し、テクノなど音楽のインスタレーションをしていた“文系”だった。 


「アートの世界はどこか観念的に感じて、何かが足りない気がしていました。元々子どもの頃から自転車で遠くに行くのが好きだったので、ママチャリで京都から東京まで走破してみて、“これだ!”と思ったんです」
偶然メッセンジャーという職業を知り、新しい会社の募集を見つけて、何も知らないまま飛び込んだ。

「忙しいときは1日に100~200kmを走行するなどかなりハード。豪雨でもレインウェアを手渡されるだけ。でも、ロードバイクに乗ったら楽しくなってきて、世界で開催されるメッセンジャーのレースに挑戦するようになったんです」



  • W-BASE BICYCLE GARAGE/東京都渋谷区神宮前6丁目23−116/03-5485-3235/営業時間 11:00〜20:00/定休日 火

    2009年の世界大会CMWCでは女子で2位に輝くなど、数々のレース出場で好成績を収めて注目の存在となった。メッセンジャーとしてスピードと効率のいい配達のテクニックは極めた。しかし、都心のバイク走行は危険も伴うため、業務中は常に冷静さを心掛けているという。

    「一度、宮益坂の四差路で後ろから車に追突されてボンネットに飛ばされたことがあるんです。幸いバッグが亀の甲羅のように身体を守ってくれましたが、それ以来、細心の注意を払っています。先の先まで見て、街の動きや流れを五感すべてで捉えようとしている状態ですね。走っていると、原始的な勘が戻ってくるように感じます」


一瞬たりとも気を抜けない走行で、あらゆる感覚が鋭敏になり、冴えてくる。それまでの生活は“なんてぼんやりしていたんだろう”と気づかされたという。

そんなメッセンジャーのYUKIさんが選ぶウェアは、やはり自転車に乗りやすいことが基本。今回着たヘリーハンセンのジャケットは、動きやすく、保温効果もあり、はっ水素材なので雨天の自転車走行にも最適だ。

「機能性もシンプルモダンなデザインも気に入りました。これなら普段着として街に溶け込むことができそう」


身体と感覚を研ぎ澄ませながら、街と有機的に繋がる―彼女にとって“メッセンジャー”という仕事は、表現であり、自己を知るための方法なのかもしれない。

「いつか、自分なりに世界の真理に到達したいと思っています。もっと世界を知りたい。都会の道は混雑しているし狭いけれど、私は好き。いつも、街の流れにスーッと乗っかっている自分を実感していたいです」


good people & good coffee/東京都目黒区東山3丁目4−11 サンライズ東山/03-5725-1303/営業時間 9:00〜18:00(土・日 10:30〜18:00)/定休日 月

プライベートでも仕事でもピストバイクを愛用するYUKIさん。コーヒーショップのgood people & good coffeeやバイシクルカルチャーを発信するW-BASE BICYCLE GARAGEを訪れるのが日課。今回着用したのは、アクティビティに適した高機能を備えた、ヘリーハンセンのNATURE FITNESS。中綿入りのジャケットは、風を通さず、防水性にも優れているので、自転車に乗るときも快適。

YUKI

YUKI

ジャケット¥40,000 / HELLY HANSEN 原宿 
その他/本人私物
協力/ HELLY HANSEN 原宿 TEL 03-6418-9669