大阪府南河内郡の石川村(現河南町)を原産地とする「石川小芋」は、3〜5cmほどの小さな里芋だ。早生種であることから、収穫期は日本国内でもバラバラ。九州南部では7月に始まり、関東では9月の今ごろの時期が最盛期となる。

“いもは名月”といういわれから、旧暦8月15日前後に訪れる満月の日(十五夜)に、石川小芋を皮ごと蒸して塩を振った料理「きぬかつぎ」を食べる風習があったという。作り方はシンプルで、水で洗い、天地を切ってから、蒸気で蒸し上げて、塩や田楽味噌につけたり、旬のすだちを絞っていただく。ほくっと素朴で初秋を感じさせる味わいだ。今年の十五夜は9月24日なので、家で作って食してみてはいかがだろう。