お昼どきの夏の食卓には、大皿にたっぷりと氷とともに盛った「素麺(そうめん)」を。夏は麦が実る季節なので、小麦粉で作られるそうめんは旬の味なのだ。日本でそうめんが食べられるようになったのは、鎌倉時代という説がある。臼で挽いた細かい小麦粉を油でもって延ばす製法は、当時他にはなかったという。油を使うことで乾燥しにくく、保存期間が長い理由でもある。

機械式と手延べでは食感や口当たりに大きな違いが。製麺期で麺を延ばしカットする前者に対して、人の手で麺を適度にひねりながら延ばす後者は、グルテンが細かくしっかりと形成され、のびにくくコシのある麺になる。

たまにはそうめんの付け合せに変化球を。小口切りにした青唐辛子は、さわやかで清涼感のある辛味がおいしい。またそうめんつゆにはすだちの絞り汁を入れてもよし、薄くスライスしたものを数枚入れるのも良いだろう。一口大に切ったなすを高温でさっと素揚げしたら、副菜で味わいたい。後は夏野菜を使ったかき揚げがあれば完璧だ。今の時期なら玉ねぎ・インゲン・ピーマン・なす・みょうが・桜エビなどを混ぜ合わせたものがおすすめ。