7月から秋口にかけて産卵期を迎える「岩牡蠣」。放卵してもやせ細ることのない身には、栄養や独特のコクがたっぷりと詰まっている。ごつごつと固く大きい岩牡蠣と真牡蠣の違いは、棲んでいる場所の違いによるもの。真牡蠣は干潮時には空気にさらされる潮間帯に棲むのに対して、岩牡蠣は海の深場に生息する。そのため岩牡蠣は餌となるプランクトンが豊富なので身が大きく、敵の多い水域で身を守るため、殻が厚いのだ。

低カロリーで栄養バランスも抜群。貧血予防に摂りたい鉄分や美肌にととのえる亜鉛やビタミンも豊富に含まれている。また、冷え性や生理不順、基礎代謝の低下、不妊など女性特有の身体のトラブルに悩む人にもおすすめ。

岩牡蠣といえば、やはり、生のままでいただきたい。鮮度の高い天然ものを取り寄せたら、薬味などで味わいに変化をつけて。オーソドックスなレモンやすだちもさることながら、エシャロットと赤ワインビネガーでいただくのも美味。また、蒸し牡蠣ならもみじおろしや酢醤油、新潟県伝統の辛味調味料「かんずり」が合う。生食・加熱調理を問わず、調理直前にしっかり洗うことをお忘れなく。大根おろしか塩水でもみ洗いすると汚れが落ちる。