梅干しは、6月半ばから旬を迎える完熟梅を使って塩水に漬けて仕込むのが基本。そして2〜3日後には液体が上がり、2週間程度経つと果実に完全に浸った状態になる。この液体が、梅酢だ。万能調味料として重宝することから“梅干しの副産物”ともいわれる。

梅酢は大きく分けて、白梅酢と赤梅酢の2種類。前者が梅の果実から出る塩水であることに対し、赤梅酢は赤じそもともに漬け込んだときに採れる。いずれも梅干しにカビが生えるのを防ぐ働きがある。クエン酸をたっぷり含むのも特徴。身体に必要なミネラルの吸収を促進するほか、身体を動かすエネルギーにもなる梅酢は、暑さで体力がダウンする夏場に積極的に取り入れたい食材だ。

酢と塩をともに使う料理には、梅酢を代替調味料として使うと手間がかからない。カブや大根、生姜などを白梅酢に漬ければさっぱりとしていて箸休めにぴったり。また赤梅酢は色合いがあざやかなので、酒と砂糖を加えてのばしてから、ご飯と混ぜ合わせて酢飯にしても。