『万葉集』や『古事記』にも記述が残る「じゅん菜」は、古くから食されている、初夏を象徴する水草の一種。水温の変化が少なく澄んだ水の沼に育ち、最盛期を迎えると1日20〜30kgも摘み取ることができる。

水分が98%を占めるため、栄養を摂れる野菜というよりは、ぷるんとゼリーのようなのどごしを楽しむ食材ともいえる。この粘質物には肌に潤いを与える保湿力や老化を防ぐ抗酸化作用があるといわれており、化粧品の原料に用いられることもある。

下処理で茹ですぎるとゼリー質を損ねてしまうので、熱湯にさっとくぐらせる程度で十分。すぐに冷水にさらして水気をしっかり切ることがおいしく食べる秘訣。食卓に季節感を出したければ、じゅん菜の食感を生かした「冷やし茶碗蒸」を。卵液だけで作った具なし茶碗蒸しを冷蔵庫で冷やしてから、とろみのある出汁餡をかけ、最後にじゅん菜を散らせば完成。洋風で楽しむなら、いつものカルパッチョにかけるポン酢のジュレに、じゅん菜を入れても美味。食欲が落ちる暑い時期でも、ぺろりと食べられる一品に仕上がる。

PERFECT DAY 05