日本ではあまり広まっていない「赤すぐり」は、ヨーロッパが原産とされるスグリ科スグリ属の果実で、ヨーロッパや北欧では古くから親しまれている果実の一つ。5〜10㎜ほどと小粒だが酸味も強く、味わいのアクセントになる旬の味だ。冷凍ものはフランスなどヨーロッパから輸入されており、フレッシュのものはアメリカやカナダなどからは夏に、ニュージーランドやチリ産の物は冬に輸入されている。国内では長野県などの一部の地域でしか生産されていないので、店頭にはなかなか出回らない希少なフルーツなのだ。

肌を美しく整えるほか、疲労をやわらげたり、風邪の予防に効果的なビタミンCが抜きん出て豊富。また強い酸味の成分でもあるクエン酸は、体内の酸性物質を減らす働きも。

ケーキのあしらいにもよく使われ、海外ではワインの原料になることもある赤すぐり。シロップ漬けにすれば、夏にぴったりなドリンクができる。鍋に赤すぐり200gと水と砂糖を2:1の割合で入れて、砂糖が溶けてしばらく煮詰める。火からおろして冷めたところでさらしなどでこし、また少しだけ煮詰めたら完成。瓶に入れて冷蔵庫で保存したシロップを、炭酸水で割ったり、酢を少しだけ足して果実酢としてもすっきりとした甘さで美味。長く楽しむならジャムを作っても。