梅は、収穫期によってさまざまな風味を楽しめる。青梅が出回り始める5月下旬ごろから6月上旬のほんの短い期間、店頭で手に入るのが「小梅」である。未熟なうちに収穫され、梅酒などの原料となる青梅。果実が色づいてから収穫され、主に梅干しに使われる完熟梅。と、果実の熟し具合によって味わい方も異なるが、文字どおり小粒な小梅は、白米のお供でおなじみの漬け物にされることが多い。

店頭で見つけたら、家庭で小梅の塩漬けにトライしてみよう。なるべく緑色が濃くて固くしまった小梅を購入し、できるだけ実が固いうちに漬けこみたい。1kgの小梅に対して焼酎50mlと粗塩120gを和えたら、容器に入れ梅の重量の2倍の重しをして、途中重しを軽くしていきながら2〜3週間漬ければできあがり。おいしく仕上げるコツは、ゆでたまご2〜3個分の殻を、不織布のお茶パックに入れたものを一緒に入れること。殻のカルシウムのおかげでカリカリの梅漬けに仕上がる。

梅は、疲労回復に効果的なクエン酸やリンゴ酸を含むうえに、食欲を増進させる働きもあるため、習慣的に食べることで夏バテ対策にもなる。肉やジャンクフードを口にする機会が多いなら、アルカリ性食品である梅を摂ることで、体内のバランスも整えられる、日本のソウルフードの一つだ。