5月ころから初夏にかけて、身に脂がのり、旨みが日々増していく「イサキ」。長崎県を中心に日本各地で穫れる、夏の訪れを告げる魚である。あっさりと淡白な味わいだが、実は栄養も豊富。中でもDHAやEPAがたっぷりと含まれており、血液をさらさらにし、細胞を健やかに保つ効果が期待できる。また脂質も多くなく、ビタミンがバランスよく含まれるのも特徴の一つ。

ただし骨が硬いために鍛冶屋殺しの別称も。そのため、調理でおろすさいには骨が残らないよう注意したい。また鮮度の高いものは、エラブタを持ち上げたときに、あざやかな鮮紅色であるのもポイントだ。

一匹魚で身が大きいので、メインディッシュにふさわしい魚。一匹まるごと使ったハーブグリルはおすすめしたい一品だ。イサキに塩を振り、臭みを抜けば下処理は完了。水気を拭いてから切れ目を入れて、そこにレモンのスライスやタイム、ローズマリーなど好みのハーブを詰め、塩で味をつけてからグリルすればできあがり。香り高く見た目も華やかで、ホームパーティーにも最適。