かつおは通年手に入る魚の一つだが、今出回っているものは、脂肪が少なめで脂のほどよいのり具合であるために、かつおぶしにすると抜群に美味。古く日本の家庭では、大半の家庭に“かつおぶし削り”があり、毎日の食卓で食べたい分だけ削っては、おかずとともに楽しんでいた。そんな風景は現代の暮らしからはいまや消えつつあるが、週末など、ゆっくり台所作業の時間をとれる日には、ぜひ取り入れてみたい食文化だ。

かつおぶし削りはかつて結婚式の引き出物などの定番だったが、最近では魚市場などの専門店などで手に入る。また同時に、かつおも塊で購入することをお忘れなく。あとは冷奴やおひたし、炊きたてのごはんなどに、各々好みの分だけ削って、豊かな香りをご堪能あれ。

青魚の一種とあって、栄養価の高さは言うことなし。必須アミノ酸をバランスよく含むうえ、EPAやDHAも豊富。身が赤いのはミオグロビンという色素によるもので、購入時には鮮度の高い赤色のものを選ぶのがポイントだ。