この時期の楽しみのひとつであるバーベキューでも活躍する食材、「さざえ」は、初夏から夏にかけて産卵期を迎える。かつては高級食材の一つとして料亭などで親しまれていたが、豊漁であることや需要の少なさから、今やアサリと同様に手軽に入手できる。家庭でも日常的に味わえる、身近な食材だ。その名前は“さだ家(小さな家)”が語源という説も。

脂質が少なく良質なタンパク質を多く含む上に、ミネラルもバランスよく含有。また肌や髪を美しく保つビタミンAや、アンチエイジングにも期待できるビタミンEもたっぷりである。

家庭でいただくなら、シンプルな「バターソテー」を。殻から身を出してバターで炒めた後、最後に醤油で味をきりりと締める。巻貝の身を楽に取り出すには、貝殻を割り、内蔵をハズして足の部分を割り、フォークなどで取り出すのが一番効率的だ。貝殻の一部に穴を開けるだけで、するりと身が出てくる。