アロマにも多用されるハーブ、「レモンバーム」。原産地はヨーロッパ南部。今から1000年ほど前、ギリシャ人医師のディオスコリデスはその薬効を賞讃した。精油成分には鎮静作用があるため、不眠症やうつ状態の改善に最適。部屋にレモンバームを原料とするろうそくを灯したり、葉をお風呂の湯船に浮かべれば、リラックス効果も。レモンのようなすがすがしい香りを、初夏の訪れを感じる今の季節に五感をとおして楽しみたい。

耐寒性が強く、日陰でも栽培できるため、家庭菜園をこれから始めたい人にはおすすめ。ハーブの中でも特にハーブティ用に栽培されることが多い。

葉がきれいな黄緑色をおびてきたら、どんなハーブとも相性のいいレモンハーブを生かしたブレンドハーブティーを。今の時期には若草色が美しい“レモンバーム+スペアミント+カモミール”がぴったり。耐熱のガラスポットにレモンバームとスペアミントの葉を軽く手でもみながら詰め、カモミールの花も加えたら、熱々の熱湯を注いで5分ほど待てばできあがり。色を気にしなければ、飲み頃を過ぎてしまった緑茶や紅茶にレモンバームやスペアミントを詰めてフレーバーティーにしても。レモンハーブには発汗作用があるほか、風邪の初期にも効く。身も心もさっぱりする一杯のティーは、新緑の季節にぜひいただきたい味わい。