“鰯”と一口にいっても、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシなど種類が豊富。真鰯は初夏から夏にかけて漁獲量が増える一方、「かたくち鰯」は春先が最も身に脂がのっておいしい。傷みの足が早いかたくち鰯は、他の魚以上に鮮度の高さが命ともいえる。いりこなど加工されて出回ることが多いからこそ、鮮魚を店頭で見つけたらぜひとも機会を逃さないように。

かりっと香ばしい「かたくち鰯の揚げ焼き」は、大人も子どもも喜ぶ一品。頭と内蔵を除いたかたくち鰯に薄く小麦粉をまぶしつけておく。たっぷりのオリーブオイルに、厚めにスライスしたにんにくを多めに入れて火にかける。ほんのりとニンニクが色づいたところで鰯を入れて揚げ焼きに。オイルをしっかり切って皿に盛り、塩をまぶしてレモンを絞ったら、熱々のうちにいただく。

旨みたっぷりの「オイルサーディン」も捨てがたい。15〜20尾程度の頭を切り落として3枚におろし(手開きでも可)、10%濃度の塩水に1時間ほど浸ける。水気をしっかり拭き取ったら耐熱皿に並べ、ニンニクの薄切りや鷹の爪、ローリエを散らして、オリーブオイルをひたひたにかける。120度に予熱しておいたオーブンで1〜1時間半加熱し、取り出したらそのまま冷ますだけ。