多年生シダ植物の一種、草ソテツの若芽であるこごみ。アク抜きせずに食べられるため、シダ類の中ではもっとも手軽な山菜である。身は柔らかく、軽いぬめりと甘みが特徴。3〜4月に最盛期を迎える他の山菜よりも一歩遅く旬を迎え、6月上旬ごろまで採取できる。

くるくると渦を巻いた可愛らしい形をしたこごみは、目で楽しむ山菜の一つ。だしに浸したものをちらし寿司に散らしたり、もっちり炊いたおこわの上にちょこんと載せるだけでも季節感を演出できる。

相性のよい胡麻との和えものもおすすめ。こごみを歯ごたえよく茹でて食べやすい長さに切っておく。すり鉢で白炒り胡麻をすり、醤油と酢、きび砂糖を混ぜ合わせた中に加えて和える。胡麻和えに酢を加えるだけで軽やかになり、身体が求める春の味わいに。