通年出回っている帆立貝ではあるが、冬のホタテは身が大きくひきしまっていて美味とされている。主産地は北海道、青森県、岩手県。養殖が盛んに行われている貝だが、天然の帆立貝はほぼ北海道で採れる。

旨味成分の元になるグルタミン酸(昆布に含まれている)とイノシン酸(鰹節に含まれている)の両方を豊富に含み、しっとりと柔らかな食感、十分な食べごたえがある。これだけ旨味豊富なホタテを中華圏では干し貝柱にしてスープや煮込みの味わいのベースにしている。

さて、これから春に向けて美味なるホタテ貝。生食用のものには、表面に塩少々をふってから中身はレアで表面だけさっと香ばしく焼いてみてほしい。これを適当に切り分けてグレープフルーツやクレソンなどとさっと和えてオリーブオイルと塩で味付けすれば白ワインに合う料理の完成だ。さいの目に切った大根と同じように切ったホタテとしょうがの千切りを炊き込みご飯にしてもいい。三つ葉を散らせばなお一層香り高い。