真冬を代表する野菜といえば、白菜。霜が畑におりてからが白菜のおいしさの真骨頂。鍋にサラダに漬物にと冬の食卓を豊かにしてくれる。外側の青い葉は繊維質でかすかに青臭く、青菜感覚で使える部分。細かく刻んで味噌汁の具材として、浅漬けにして楽しみたい。中心の黄~白い部分は甘みがあり、加熱するととろけるようにおいしい。食べ方は枚挙にいとまがないが、ここでは面白い食べ方をご紹介したい。

たとえば洋風サラダ。白菜の中心部の柔らかな葉と芯の部分を手でワイルドにちぎり、リンゴの薄切りやカマンベールチーズ、くるみなどと一緒にレモン汁やオリーブオイル、塩で和え、バルサミコをふりかける。みずみずしくクセのない白菜が食材同士をつないで、飽きずに食べられる。あるいは、柔らかな葉の部分をざく切りにし、芯の部分をごく薄切りにしたものと鶏肉の唐揚げをごま油やポン酢しょうゆ、ねぎの千切りなどで和えて中華風のホットサラダにするのもよい。揚げ物の熱で少しクタっとした白菜に塩気がよく馴染む。

白菜が甘みを蓄えておいしくなる冬は、白菜漬けも忘れずに挑戦してみてほしい。材料は塩だけで十分。食べたいだけ取り出して刻んで水気を絞って器に盛り、七味唐辛子をぱらり。焼き海苔の上にのせてくるっと巻き、醤油をひとたらししてご飯といっしょにいただけば、この上ない至福がやってくる。細かく刻んだものを納豆と一緒に混ぜれば、朝食のメインにも。白菜漬けの魅力は漬けてからしばらくは続く。漬けたままひと月ほどそのまま冷蔵庫などで発酵させると、酸味が出てきて古漬けのおいしさに。こうなってきたら台湾風の酢白菜鍋にして楽しめる。