大根が甘みを蓄え、おいしさを増す季節の到来だ。冬野菜の代表格ともいえる大根は、『日本書紀』や『古事記』にも記述があるほど古くから日本人に食されてきた馴染み深い食材である。

丸ごと一本購入する場合は、青首の部分(葉に近いほう)は色が濃く、白い部分は真っ白なものを選ぶとよい。上1/3は比較的水分が少なく肉質も固めなので、炒めものなどに。真ん中の1/3は、煮物やふろふき大根に。下1/3は水分が多くみずみずしくきめが細かいので、大根おろしや漬物にするとよいだろう。厚めに剥いた皮はざるに広げて半干しすれば食感が冴え渡り、醤油漬けや炒めものなどに向いてくる。大根に含まれる消化酵素のジアスターゼや、たんぱく質を分解するプロアテーゼといった栄養素を効率的に摂取したい場合は、大根おろしやサラダなど生で食べるのがおすすめ。

青首大根に加え、年末年始にはでっぷりとした三浦大根も出まわる。緻密で柔らかくみずみずしい肉質は、正月料理のなますやぶり大根などの煮物に最適。出荷量が極端に少ない品種なので、見つけたらぜひ買い求めたい。