今日は突然だが、猫のいる生活について書いてみたい。

つい先日、うちの家に、猫の赤ちゃんがやってきた。名前はチリという。ニョーヨークにも、日本ほどではないにしろ野良猫がいる。マンハッタンではみたことがないが、クイーンズやブルックリンではたまに見かけることがある。チリは、ブルックリンのはずれの、JFK空港からもほど近い場所からやってきた。兄弟猫といるところを、知人に保護された。まだ子供でシャイだが、だんだんと人に慣れてきて、かわいさ一入(ひとしお)である。何を隠そうぼくは猫アレルギーなのだが、ニョーヨークでは周りに猫のいる家が多く、遊びに行くたびに、猫と暮らす生活のイメージが湧いてきて今にいたる。


そもそもこの都市は、ペットと人間の距離感が日本よりも近いような気がする。犬を連れている人はそこら中にいるし、ペットショップも多い​。

いまぼくが働いている会社では、ペットのための保険にも加入させてくれる(笑)。​さらには先日のハロウィンでは、近所のTompkison Parkでペットが仮装するイベントまで行われていた。ペットにとっては、何が何だかであろうが、飼い主たちは皆自慢げである。ぼくもチリを飼い始めてから、オフィスのネコ友と写真を見せあったり、不在時の猫のお世話を近所の友人と交換でしたりしている。

ペットを介したこのようなコミュニケーションというのは、ペットを持つことのおまけであるかもしれないが、都市生活を豊かにする大きな要因になりえる気がした。

隈太一

隈太一

建築家。1985年東京都生まれ。2014年シュツットガルト大学マスターコースITECH修了した後に、2016​年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了​。2017年よりアメリカ、ニューヨークの設計事務所勤務。素材の可能性、組み合わせによる空間、場所のデザインを専門とする。代表作に、カーボンファイバーと伸縮性のある膜を用いた、新素材の組み合わせによるパビリオン「Weaving Carbon-fiber Pavilion」、自身が運営するレンタルキッチンスペース「TRAILER」のインテリアデザインなど。

instagram:@taikuma